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浄化槽と特許権
西川 信彦 (一社)浄化槽システム協会講師団 (月刊浄化槽 2026年1月号)
1.はじめに
2.特許とは
3.浄化槽と特許
4.おわりに
1.はじめに

 私たちの身の回りには、日常生活をより便利で豊かにしてくれるたくさんの製品やアイテムがあります。これらの製品の中には、特許を取得しているものも多くあり、特許によってそのアイデアや技術が守られています。特許は、発明者や企業が自身のアイデアを他人に真似されないようにするための権利であり、これにより新しい技術や製品が生まれ、私たちの生活がさらに便利になります。浄化槽も同様に、技術開発の成果として複数の特許を取得します。本編では特許の概要を浄化槽を例に、ご紹介致します。
2.特許とは

(1)概要
 知的財産権は特許権以外にも下図 1)のように複数の種類があります。それぞれの目的に応じて出願を行います。特許権は、新しい発明や技術に対して独占的に権利を与えるもので、発明者は存続期間満了(通常は出願から最長20年)まで独占的に権利を利用することができます。特許は産業上利用ができるものであることを前提として、発明の新規性(出願前に公知になっていないこと)、進歩性(その分野の通常の知識を有する者が容易に考えつくことができないもの)が求められます。

図1 知的財産の種類

(2)特許の取得
 特許を取得するためには、願書、特許請求の範囲、明細書、図面、要約書を作成した上で特許庁に出願し、審査を受ける必要があります。審査に合格して特許料を納付すると特許権が付与されます。

(3)特許の利用
 特許の権利者は、その特許に基づく製品を製造、販売する権利を独占的に利用することができます。また他者に特許を使用する権利を許可するライセンス契約を結ぶことで、収益を得ることもできます。

(4)特許の侵害と対策
 発明内容を権利者の許可なく使用することは権利侵害となり、損害賠償等が発生する場合があります。自らの特許は侵害されていないことを定期的に監視し、他者の特許に対しては製品開発時に抵触していないことを調査することが肝要です。
3.浄化槽と特許

(1)特許を取得するために
@製品開発の過程における発明
 新製品の開発においては、製品コンセプトの策定が非常に重要な段階になります。この中で、製品が目指すべき姿を明確にし、課題の抽出、解決策の検討を行います。浄化槽の開発においては、水処理効率を高めるための水処理フローの効率化、浄化性能を高めるための単位装置の機能向上、コスト削減や生産性の向上をはかるための生産設計の最適化、といった課題があります。この課題を解決するために、多様な視点からの案出を目的としたブレインストーミングの実施、アイデアを形にした試作品による機能の検証と評価、フィードバックによる改善を実施します。これらのプロセスを通じて発明の元が生まれます。

A発明内容の整理
 発明の元を発明にするためには、内容を整理する必要があります。まず、従来技術の課題を具体的にあげ、その課題を解決するために工夫した発明の技術的ポイントを列挙することで目的・作用・効果を明確にし、更に図面化することで発明内容を可視化します。ここで、この発明が特許性を有しているか否かを判断します。

B出願
 特許性を有していると判断した発明を特許とするため特許庁へ出願します。出願に際して必要な願書、特許請求の範囲、明細書、図面、要約書の作成は専門的な知識を要するため、一般的には特許事務所の弁理士に依頼します。また、浄化槽の出願に際しては、水処理技術に知見のある弁理士に依頼することが出願書類の内容を充実させることに繋がります。

C権利の取得
 出願から1年6ケ月経過後に、出願明細を記した公開特許公報が発行され一般に公表されます。この出願した発明が特許庁で審査手続きされるためには、出願日から3年以内に出願審査請求書を提出しなければなりません。これにより特許庁の審査官により審査された結果、「この出願については、拒絶の理由を発見しないから、特許査定をします。」とのコメントがあり特許査定されます。

図2 公開特許公報の例(本文除く)

D特許調査(出願前の事前調査)
 特許出願する際に限らず、発明した技術を製品化するに際しては、特許調査をする必要があります。考案した発明が、既に他者により出願され公知技術となっていないかを確認するためです。調査は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)2)を利用することで容易に行うことができます。図3はJ-PlatPatの簡易検索のページですが、検索例として「クボタ 浄化槽」と入力して検索すると、複数の文献一覧が表示されます。その一覧から文献を選択すると出願内容が表示されます(図4)。

図3 J-PlatPatのトップページ
図4 J-PlatPatの文献表示画面

 上記のようなテキスト検索にFIやFタームを用いるインデックス検索を組み合わせて検索することも可能であり、高度な検索も行うことができます。
4.おわりに

 浄化槽に携われている皆様の日常業務の中でも、気づきや改善があるかと思います。ご自身ではお気づきになられていないかもしれませんが、それが画期的な発明で特許になる事案の可能性もあります。ご自身の発想を発明として特許にするチャンスかもしれません。技術は他者や社会へ貢献するためのものでもあります。せっかくの知恵です。特許をもう少し身近なものとして考え出願されませんか。
参考文献
1) 特許庁.(2020.4.8).『知的財産権について』.経済産業省 特許庁.(参照2025-11-13)
https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/seidogaiyo/chizai02.html
2) 独立行政法人工業所有権情報・研究館(n.d.)『J-PlatPat』. (参照2025-11-13)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
((株)クボタ 滋賀工場 開発課)
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