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水害等の災害対策製品
田中 理 (一社)浄化槽システム協会講師団 (月刊浄化槽 2022年3月号)
1. はじめに
2. 水害対策製品
3. 施工事例と装置運用
4. おわりに
1.はじめに

 近年、集中豪雨の発生回数や降水量の増加、台風の大型化等、地球温暖化の影響が顕在化しており、毎年のように全国各地で大規模な水害が発生し、甚大な人的被害や経済損失をもたらしている。また、水害や震災等の自然災害においてライフライン寸断時の水の確保は常に大きな課題となっている。
 当社は、水害対策を目的とした各種製品を開発し、流域治水の実現を目指している。
 本稿では、雨水貯留浸透ユニット、逆流防止弁や圧力開放蓋等の水害対策製品を例に挙げ、それらの特徴を紹介する。また、災害時の水確保の方法のひとつとして、非常用浄水装置を紹介したい。
 
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2.水害対策製品

(1)雨水貯留浸透ユニット(写真-1)
 雨水貯留浸透ユニットとは、PP製板状部材(高さ300または600mm)を組み合わせて地中に埋設し、雨水を一時貯留しながら緩やかに地中へ浸透させる製品である。

写真-1 雨水貯留浸透ユニット

 雨水の流出抑制を図るとともに、貯留した水資源の循環利用が可能となり、敷地に合わせてユニット形状を自在に変更できることが特長である。具体的には、雨水浸透量に合わせてユニット数を決定し、戸建住宅など、都市部の狭小地にも設置可能となる。
 ユニット組立て時、従来の浸透マスの周囲に充填する砕石が不要となり、工事の手間が省かれ、ユニット材質が軽量かつ強度にも優れており、施工面の向上に貢献できる。
ユニット空隙率が約90%と高いため、雨水を一時的に貯留することができ、住宅だけでなくゴルフ場のバンカー等の水はけ対策にも活用されている。

(2)逆流防止弁(逆止弁・逆流対策弁)

 豪雨時には、側溝や下水本管に雨水が多量に流入し、宅地内配管の水嵩が増すことでエアや排水が逆流する場合がある。その際、逆流防止弁(写真-2)が閉じ、トイレやキッチンの排水トラップの噴出などを軽減する。

写真-2 逆止弁付公共マス

 図-1のとおり、既存の塩化ビニル製マスやコンクリートマスに逆止弁を後付けできるものもあり、ゴムパッキンが強力に密着して抜けにくく、高い逆流防止性能を発揮する。
 浄化槽処理水側からの逆流対策が求められることがあり、側溝から浄化槽への侵入水抑止にも利用される。

図-1 後付け逆流対策弁 設置イメージ

(3)圧力開放蓋
 圧力開放蓋は、豪雨時に下水道本管および宅内配管の一部が満管となり空気の逃げ場がなくなった際に、管路内からの圧力を受け内蓋(写真-3)が浮き上がり、排水管路内の過剰な圧力を大気開放するために用いられる。蓋から圧力を大気開放することで、トイレなど屋内衛生器具の封水飛散、臭気被害から建物を守る。(図-2参照)
 開放部の蓋にはパッキンが付属しており、平常時は、水の侵入や臭気漏れを防ぐことができる。また、普通自動車(車両総重量2t以下)の耐荷重も有しており、設置場所の自由度が高い製品である。昨今、問題になっているゲリラ豪雨時の排水管路対策に広く利用されている。

写真-3 圧力開放蓋 図-2 圧力開放蓋の作動説明

(4)非常用浄水装置
 非常用浄水装置は、災害などで水道供給が断たれた際に、そのままでは飲用に適さない水を飲料水や生活用水に浄化するものである。
 装置の大きさ(写真—4)は、国内線航空機(100席以上)の機内持ち込み手荷物基準の縦・横・高さ三辺の和115cmより小さなサイズ(約108cm)で、乾燥重量は10s以下の8.5sである。
 電源不要の手動式ポンプで浄化したい水を本装置に移送する。1分間あたり20—30ストローク程度のポンプ操作で1L/minの浄水確保(造水)が可能である。

写真-4 非常用浄水装置
(ケースを開いた状態:実物はスケルトンでない。)

 使用膜は、自然界のその他の水(湖沼・河川・飲用水適合が確認できない井戸水等の非水道水)を原水とする可能性があることから逆浸透膜を選定している。また、逆浸膜の閉塞を予防するため5μmセディメントフィルターを前置している。
 非常用浄水装置の使用にあたっては、災害時に性状不明な水を対象とするのではなく、使用できる水源を事前に想定し、災害時にも水源水質が安定していること等を確認することが重要となる。
 (想定水源の水質(TDS総溶解固形物(無機塩類)、pH値、水温等)の事前測定、推奨数値内での使用は必須条件となる。)
 
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3.施工事例と装置運用

(1)雨水貯留浸透ユニット
 写真-5のとおり、従来の雨水浸透マスを施工するときに必要だった砕石が不要となり、短時間かつ均一な施工が可能となった。

写真-5 雨水貯留浸透ユニット施工例

(2)後付け逆流対策弁
 写真-6のとおり、都内某マンションの汚水および雑排水配管最終マス(コンクリート製)に後付け逆流対策弁を設置した。経過観察調査(本体外れ、弁の開閉、夾雑物の滞留確認等)を定期的に実施した結果、不具合は無く、安心してご使用頂けるものと考える。

写真-6 逆流対策弁設置例

(3)非常用浄水装置
 災害時の飲用水は、1人1日3Lを想定して備蓄され、ペットボトル保存水が一般的である。有事の際、顔を洗ったり、歯を磨いたり、すり傷を洗うような生活用水用途でのペットボトル水の消費は避けたいところである。
 災害時には飲料水と同水準の肌に触れても安全で清潔な水が飲用以上の量で必要となる。
 時間あたりの浄水量は大型浄水装置に及ばないものの、写真-7のとおり、コミュニティ毎に近くの水源にコンパクトな浄水装置を複数台設置して造水する、あるいはプールなどの水源で各人が浄水装置を持込み造水するという運用は効率的なものと言えよう。

写真-7 非常用浄水装置 使用状況
 
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4.おわりに

 気候変動に伴う環境変化に対応するためSDGsやESGを意識した取組みを加速し、人々の暮らしに不可欠な水環境のライフラインを支えることが重要となる。
 雨水流出抑制や雨天時不明水対策、海水面上昇による管路内逆流等、諸問題が顕在化しており、水害対策製品の社会的ニーズは今後さらに高まっていくと思量される。
 現場施工性の向上や樹脂の特性を活かした新製品を開発し、上記課題に対策を講ずるとともに持続可能な社会づくりに貢献できるよう事業を推進していきたい。
<参考文献>
 空気調和・衛生工学会規格SHASE-S206-2019
 (給排水衛生設備基準・同解説)/社団法人空気調和・衛生工学会

<当社製品名>
 雨水貯留浸透ユニット【レインキューブ】 逆流防止弁シリーズ
 【逆止弁付公共マスKG-S150P×100-200】
 【後付け逆流防止弁AGU100】(汚水管禁止)
 【後付け逆流対策弁AGTU150】
 圧力開放蓋【CW-AIライト150/200】
 非常用浄水装置【エモータブル】

<お問合せ>
 前澤化成工業株式会社 営業企画部
 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-7-1
 TEL(03)5962-0720 FAX(03)5695-0166
 URL http://www.maezawa-k.co.jp
(前澤化成工業(株) 営業本部)
 
 
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