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FDP型/XF型浄化槽のリン除去装置について
山本 晃平 (一社)浄化槽システム協会講師団 (月刊浄化槽 2019年9月号)
1.はじめに
2.FDP/XF型におけるリン除去の原理・管理
3.リン除去装置 保守点検のポイント
4.まとめ
1.はじめに

 閉鎖性水域における更なる高度処理の要望に応えるために、大栄産業株式会社と株式会社ダイキアクシスで家庭向けのリン除去型浄化槽FDP型/XF型を共同開発しました。
 この浄化槽は既存の高度処理型浄化槽であるFDR型/XC型(処理水質 BOD:10mg/L以下、SS:10mg/L以下、T-N:10mg/L以下、COD:20mg/L以下)にリン除去機能を付加したものです。
 この浄化槽はリン除去装置周りを除き、既存の浄化槽と同様に管理を行います。

図1 FDP型/XF型 フローシート
 
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2.FDP/XF型におけるリン除去の原理・管理
 
(1)リン除去について
 FDP/XF型は、リン除去の方法として一般的に用いられている凝集沈殿法を採用しています。凝集剤には大型浄化槽で使用実績のあるポリ塩化アルミニウム(以降PACと表記)を使用しています。PACの化学式は [ Al2(OH)n・Cl6-n ] m (1≦n≦5,m≦10)と表されます。
 他にも、一般に使用される凝集剤として硫酸アルミニウム(硫酸バンド)があります。凝集剤は水と反応する際にアルカリ度を消費するため、pH調整が必要な場合がありますが、PACの場合、自身が持つアルカリ成分(OH-)を放出・消費するため、硫酸バンドよりもpHへの影響が小さい(pHが下がりにくい)という特長があります。加えて、FDP/XF型は使用するPACが槽内水に対して少量であるため、pH調整の必要はありません。
 水溶性のリンは酸素と結合し、3価の陰イオンであるリン酸イオン(PO43-)として水中に存在しています。そこにPACを添加することで、3価の陽イオンであるアルミニウムイオン(Al3+)が遊離し、水中のリン酸イオンが以下の式のように反応して難溶解性のリン化合物(リン酸アルミニウム:AlPO4)を形成します。
Al3+ + PO43- →AlPO4
 PACは硝化液循環兼汚泥移送管へ添加されます。添加されたPACによってリン酸アルミニウムを形成し、嫌気ろ床槽第1室に沈殿分離されます。そして、清掃時に汚泥として引抜きます。

図2 リン除去装置概略図

 PACはリン除去装置内(図2)のタンクにて保管されています。タンクにはPACを送り出すためのチューブが接続されており、ポンプを稼働させることでPACを圧送します。このポンプはタイマにより制御しており間欠定量的にPACを添加します。


写真1 PACタンク
(2)リン除去装置の管理について
 PACは定量的に消費されるので、4ヶ月毎に行う保守点検時には必ずPACを補充します。PACは各人槽毎に消費量が異なります。そのため、PACを補充する際には、必ずタンクに貼付された目盛シールの人槽表示に従ってください。(写真1)補充する位置の目盛線は赤色で表示されています。

※PACは長期間使用されずにタンクに残っていると古くなっていき、結晶を析出することがありますので過剰量の補充を避けてください。

 続いて、PACの滴下量の点検・調整を行います。これは、正しく凝集剤の添加が行われていることを確認するために重要な作業です。
 始めに、ポンプボックスの中にポンプと共に納められたタイマを操作します。(写真2)

1)OFF時間のダイアル(緑指針)を「30」から「0」に合わせます。その際、ON時間(赤指針)と間違えないように注意してください。(赤指針を「0」に合わせるとPACの添加が停止します。)
2)浄化槽のマンホールを開きます(放流側から2つ目)。
3)硝化液循環兼汚泥移送管の清掃口に取付けられた固定具から、ジャバラホースの先端を引き抜き、ジャバラホースにより保護されているチューブの先端から添加されるPACの移送状態を確認します。
4)PACの滴下量の測定を開始します。PACが6.5〜9.5mL/分の範囲で移送されているか確認します。
 ・PACの滴下量が適正範囲内の場合:測定を終了しジャバラホースの先端を固定具に差し込んでください。
 ・PACの滴下量が適正範囲から外れている場合:維持管理要領書の記載に従ってタイマのON時間を調整します。(OFF時間は必ず「30」としてください。)
5)タイマのOFF時間を「0」から「30」に戻します。(戻し忘れ、ON時間とOFF時間の入れ違いに注意してください。

写真2 ポンプボックス 図3 タイマ設定シール
 
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3.リン除去装置 保守点検のポイント
 
 適切なリン除去を行うために以下の点に注意してください。
・PACタンク:目盛シールは人槽毎の適正な補充量を示しています。過剰なPACの補充は、PACの劣化・結晶の析出を引き起こす原因となります。
・ジャバラホース(チューブ):固定具にジャバラホースの先端をしっかりと差し込み、硝化液循環兼汚泥移送管の清掃口にPACが添加されるように固定してください。(写真3)
・タイマ:OFFタイマの時間は必ず「30」としてください。PAC滴下量の測定結果に合わせてONタイマの時間を設定します。この時間設定が適切でないと、リン除去性能を発揮できない恐れがあります。

写真3 ジャバラホースおよび固定具
 
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4.まとめ
 
  凝集剤を利用したリン除去装置は、タイマによるダイアル調節・PACの適正量補充など、一つ一つの操作はシンプルなものです。保守点検のポイントをおさえ適切な調整を行うことで機能を発揮し、リン除去性能を示します。
 リン除去装置の維持管理を行う上で、本稿を役立てて頂ければ幸いです。
 
(大栄産業(株) 企画開発室)
 
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