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CXN2型の機能について
足立 清和 (一社)浄化槽システム協会講師団 (月刊浄化槽 2017年5月号)
1.はじめに
2.CXN2型の特長
3.CXN2型の機能検証
4.おわりに

1.はじめに

   “配管革命”のキャッチフレーズで2014年から販売しているCXN2型(5〜10人槽)は、業界で初めて流入管底と放流管底を同じ高さ(流入管底と放流管底の落差0mm)とした浄化槽です。CXN2型は、それまで販売していたCXN型(流入管底と放流管底の落差50mm)をマイナーチェンジした浄化槽で、沈殿槽から消毒槽へ処理水を汲み上げる揚水管の能力をアップし、放流管底を50mm高くする変更を行いました。僅か50mmの変更ですが、1/100の排水管勾配を考えると、配管距離にして更に5mが有効に使え、また浅型の側溝にも対応し易くなります。(図-1参照)
  販売開始当初は「管底が同じで本当に汚水が流れるのか?」などの問い合わせが多くありましたが、講習会などで構造と機能を説明し、現在では、特に驚かれることも無くなりました。
  今回は、講習会ではあまり紹介していない開発段階の機能検証も含め、弊社の浄化槽CXN2型の構造と機能及び維持管理のポイントについて紹介します。

図-1 CXN2型の配管(例)

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2.CXN2型の特長
 
  CXN2型はシンプルな構造であり、浄化槽に関する一定の知識と経験があれば、容易に汚水処理の仕組みについて理解できます。図-2に構造の概要を示し、主な特長を以下に列記します。
固液分離槽は、汚水中の固形物を分離し貯留します。汚水が水平方向に流れる構造なので堆積汚泥が安定して貯留できます。
嫌気分離槽は、移流水中の固形物を除去し、同時に嫌気性微生物の働きにより有機物の分解と脱窒反応が進みます。
接触ろ床槽は、有機物の分解と硝化が進行します。生物膜を高濃度に保持するヘチマ様接触材は、60×80mmのセル穴が縦方向に連通しているので旋回流と通水が十分に確保されます。
沈殿槽は、処理水の最終的な固液分離を行います。また、上澄水を揚水管で100mm汲み上げ消毒槽へ移送することで、放流管底を上げる役割と、基準水位より上方100mmの容量がピークカットの役割を果たします。

図-2 CXN2型の構造
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3.CXN2型の機能検証

  CXN2型の開発過程で、様々な機能検証を行っていますが、主な検証内容を3つ紹介します。
1) エアリフトポンプの機能検証
    図-3に示すように、CXNよりも更に50mm高い位置に上澄水を揚水するため、揚水管の水没深を250mm深くしました。図-4の性能曲線から、LWL+50mmまでは従来とおよそ同等の揚水能力が確保されることが分かります。また、水位の変動幅が100mmとなることで、ピークカット容量が約倍量となり、5人槽が151 L、7人槽が204 L、10人槽が244 Lと、緩衝能力が高まりました。
  一方で、これまでよりも水位が上昇した状態の時には循環水量が増加することになり、固液分離性能に悪影響があるのではないかとの懸念がありました。そこで、循環水量が最大となった状態で、更に流入水を投入する水流試験を行い、問題がないことを確認しました。付け加えると、従来の最大水位50mmよりも水位が上昇する時間帯は、1日の中で延べ1時間未満と短いことがシミュレーションで試算できることから、従来型との差違は小さいと考えられます。また従来は、水位がLWL+50mmを超えるとオーバーフローしていたものが、変更後は緩衝されるようになり、ピークカットの効果が高まることで固液分離機能を安定させることも考えられます。

図-3 揚水管の構造変更

図-4 揚水管と循環装置の性能曲線

2) 実現場での検証
    実現場に設置されたCXN-5型の揚水管を改造して、CXN2型の機能を確認しました。汚水量の平均値は1.06m3/日で標準的な使用状態の一般住宅でした。槽内に水位センサーを設置し、日間の水位変動を1分毎に記録した結果を図-5に示します。
 揚水量よりも流入水量が大きい場合は、水位が上昇し、小さい場合は水位が低下していく様子が確認できます。また、水位が+50mmを超える時間帯が確認され、これまでよりも増えた緩衝部の容量がピークカットとして機能している様子が分かります。3/13(木)14:00には、約3分間で+90mm付近まで急激に水位が上昇していますが、これは、約50L/分の排水量が約3分間継続されたと理解できます。このように瞬間的に大きな流入ピークを一時的に貯留し揚水管で緩やかに放流するピークカット機能が、浄化槽の処理性能を安定化させます。

図-5 CXN2型のピークカット機能

3) 停電時の汚物流入状況の検証
    CXN2型の基準水位は、流入管底から50mmの落差を確保していますが、槽内の水位が100mm上昇した瞬間は、流入管の中央まで水位が上昇することになります。通常の状態では、揚水管により槽内水が放流され、速やかに落差のある状態に戻ります。しかし、停電によりブロワが停止した場合は、揚水管が稼働しないため常に水位が高い状態となり、そのような状態でも汚物が問題なく流入されるかを検証しました。これは、震災時に電気と水道が停止しても、自宅のトイレがバケツで水を流すだけで使用することができ、浄化槽で良かったとの評価があり、この点について検証したものです。
  検証試験は、図-6のように1/100勾配の排水管を試験槽に接続し、疑似汚物としてペーパーとスカムを5 Lの水で投入口から流入させ状況を確認しました。CXN2型の検証として流入管が半分まで水没した状態と、CXN型の検証として流入管が水没しない状態を比較しました。
  どちらも、疑似汚物は排水管をおよそ7m進み配管内に停滞しました。そして、次の投入水で押され浄化槽の流入部まで疑似汚物が到達し、流入バッフル内を沈降して固液分離槽に堆積しました。
  20回の投入を繰り返しましたが、どちらも流入バッフルまで到達した疑似汚物は問題なく沈降しました。排水管内の流れ状況は、流入部から約5m水が浸かったCXN2型の方が、汚物の粉砕が進みスムーズに流れる様子が観察されました。
  結果として、どちらも汚物を浄化槽まで運ぶことができ、非常時にも自然流下で排水できることが確認できました。放流ポンプ槽付きの場合は、排水を続けるとマンホールから排水が溢れる可能性があります、放流管底を高くしたCXN2型では放流ポンプ槽を付けるケースが少なくなり、災害時に強い浄化槽の仕様ではないかと考えます。

図-6 停電時の汚物流入の検証試験
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4.おわりに
 
  最後に、CXN2型の維持管理で最も重要なポイントは、循環水量を基準水位(LWL)で3Qに調整することです。図-4の性能曲線から槽内水位により水量が大きく変わることが分かります。水位が高い状態で3Qに調整してしまうと、1日の中で最も長い状態のLWL付近で循環しなくなります。保守点検時に水位が高い場合は、揚水管のバルブを大きく開ければ速やかに水位を下げることができます。宜しくお願いいたします。
(アムズ(株))
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