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FCE型の浄化槽の維持管理について
内藤 広行 (一社)浄化槽システム協会講師団 (月刊浄化槽 2016年1月号)
1.はじめに
2.FCE型の特長
3.水質悪化時における原因と対策
4.改善事例
5.まとめ

1.はじめに

  現在販売されている浄化槽は性能評価型が主流となっています。また、その中でも家庭用に供されるものは単独処理浄化槽からの転換を目的とし、構造基準型に比べ容量が半分程度のものが中心となってきています。
  現在の浄化槽は、容量を削減するために各型式ごとさまざまな技術が投入されており、維持管理の手法もそれに合わせ異なる操作が必要になっています。
  今回は弊社の浄化槽FCE型の機能の説明と、適正な機能を維持するための管理手法を実例をもとに紹介します。

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2.FCE型の特長
 
  FCE型のコンセプトは環境に配慮した浄化槽であること、維持管理及び清掃の作業性の向上を目的とした構造であることです。
  特に、環境への配慮として以下を挙げられます。
   ・ブロワが低風量で消費電力が小さい(5人槽で50L、消費電力28W)
   ・躯体に再生可能プラスチック(ポリプロピレン)を使用し、リサイクル可能
  これらによりFCE型は浄化槽で初のエコマークを取得し、エコマークアワード2013のプロダクト・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

図-1 FCE型構造図

図-2 フローシート

@ 汚泥貯留槽
    流入汚水の汚物の分離と貯留を行います。担体流動槽からの硝化液は底部に送られ、嫌気ろ材の代わりに汚泥内での脱窒を行います。このため、一次処理に濾材を用いず、清掃作業が容易になっています。槽上部にはピークカット部が設けられ、流入水の時間変動を緩和します。流出水は間欠定量移送装置にて担体流動槽に移送されます。
A 担体流動槽
    ばっ気撹拌により担体(網目様円筒状φ33×33L)が流動し、好気処理によりBOD酸化及び硝化を行います。槽内は隔壁により担体流動室と緩担体流動室の2室に区切られ、緩担体流動室では流速を抑えることによりSSのフロック化を促進させ、固液分離と返送を行いやすくしています。
B 循環水移送装置
    循環水移送装置は、緩担体流動室から汚泥貯留槽にかけて設置されており、エアリフトポンプ、循環水移送管、接触材充填部、循環水送水管から構成されます。緩担体流動室に設置されたエアリフトポンプにより、SSと硝化液を含んだ槽内水を汚泥貯留槽内に返送します。汚泥貯留槽に設置された循環水移送管の先端には、脱窒の前処理としてDOを低減する接触材充填部(ヘチマ様円筒状120φ×1150L[mm])と、脱窒のため循環水を堆積汚泥内に送水するための循環水送水管が接続されています。
C バルブ
    操作バルブとして移送バルブ、循環バルブ、散気バルブの3つが設置されています。
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3.水質悪化時における原因と対策

  ここではFCE型で水質が悪化した時の主な原因と対策を症例別に紹介します。

@ 汚泥貯留槽が満水になっている
 
状況 : 移送と循環のバランスが崩れており、ピークカット機能が働かず、担体流動槽以降への負荷が高くなっている。
原因 : A : 間欠定量移送装置の詰まりによる揚水不良
B : 設置状況や稼働状況などの影響による風量バランスの変化により、エアリフトポンプの揚水過剰。
対策 : まず、沈殿槽から消毒槽への越流がなされているか確認してください(写真-1)。越流が確認できる場合は流入による一時的な水位上昇であるため対処の必要はありませんが、越流していない、又は過小である場合は以下の対処が必要です。
  Aの場合
    間欠定量移送装置及びエアリフトポンプの洗浄を行ってください。特に間欠定量移送装置が詰りは汚泥貯留槽の水位異常につながります。
  Bの場合
    バルブ調整で対処します。まず移送バルブの開度を10%開いてください(変更前バルブの場合は人槽を一段階上げる。例:5人→7人)。その後、消毒槽への越流状況を確認しながら循環バルブの開度をゆっくりと下げてください。十分な越流が確認できたところで操作をやめ、循環水量の測定を行います。消毒槽の越流が確認できたこと、循環水量が設計値を確保できていることを合わせて調整完了となります。
A 循環水移送装置が揚水していない、又は過小である
 
状況 : 硝化液及び汚泥の返送機能が働かず、脱窒不良、沈殿槽スカム浮上、放流水のSS流出などが起きている。
原因 : エアリフトポンプの詰まりによる揚水不良、又は設置状況や稼働状況などの影響による風量バランスの変化により、エアリフトポンプの揚水低下。
対策 : まずエアリフトポンプの洗浄を行ってください。次にバルブの調整を行いますが、水量を安定化させるために汚泥貯留槽に注水し、水位をM.W.L.まで上げます(写真-2、L.W.L.とH.W.L.の間)。その状態で@と同様に移送バルブの開度を10%上げます。循環バルブは開度を上げていきますが消毒槽への越流が停止しないところで操作をやめ、循環水量の測定を行います。消毒槽の越流が確認できたこと、循環水量が設計値を確保できていることを合わせて調整完了となります。
 
写真-1 消毒槽への越流

写真-2 水位線
B 緩担体流動室が流動していない
 
状況 : 緩担体流動室の担体が流動せず、適切な生物処理が出来ない。
原因 : A : 散気管の詰まりなどによるばっ気バランスの変化
B : 担体の流動には生物膜の付着による担体比重の増加を見込んでいるため、その不足により流動できない。
対策 : Aの場合
    散気管の洗浄を行ってください。緩担体流動室の流動には担体流動室の流速を利用しているため、両室の散気管を共に洗浄してください。
  Bの場合
    散気管の洗浄で解消しない場合は担体の生物膜量を増やすための操作が必要になります。散気バルブを調整範囲内で「ばっ気停止」側(反時計回り)に回し、様子を見てください。
  付着量が増えない場合はシーディングも検討してください。
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4.改善事例

  ここでは上記の調整による改善効果として、各現場の処理水透視度のグラフを示します(図-2,3)。調整後は調整前から2週間〜1ヶ月頃の値となります。
  この結果を見ての通り、ほとんどの現場で改善効果が見られます(一部は流入条件がら大きく外れていたため、改善まで至りませんでした)。
図-2 処理水透視度(調整前)

図-3 処理水透視度(調整後)

  また、上記の調整を容易にするため改善を行っていますので、以下に紹介します。

@ 移送、循環水量の増加
    水量の安定化のため、循環水量を初期の2Qから3〜4Qに増やしています。また、移送水量も併せて5〜6Qに増やしています。(表-1)
表-1 移送、循環水量の変更
A 移送、循環バルブのラベル変更
    これまでは標準の調整範囲を示したラベルでしたが、調整内容の定量的な判断が可能になるように開度(%)を表示したラベルに変更しています(写真-3)。
写真-3 バルブ
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5.まとめ

  浄化槽は適切に動いていなければ水質は良くなりませんが、適切に稼働させれば水質は良くなります。今回は弊社FCE型の調整方法を説明しましたが、その手法は各社、各型式ごとに異なります。管理する浄化槽の情報を各社HP記載の維持管理要領書等で確認し、より良い維持管理に役立てて頂きたいと思います。
 
(大栄産業(株) 企画開発部)
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