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諸外国で使用される浄化槽のさまざまな電源および
国内における周波数の境目について
藤井 幸一 (社)浄化槽システム協会講師団 (月刊浄化槽 2015年1月号)
1.はじめに
2.世界の主な国々の電源種類
3.国内の周波数の境目
4.おわりに

1.はじめに

  浄化槽を設置し運転するときには、ブロワやポンプに使用するその地域の電源について調べる必要があります。下水処理地域外に設置される分散型汚水処理装置としての浄化槽は昨今、国内に限らず諸外国への設置が広まりつつあります。受注の都度その地域の電源を調べ、機器の仕様を決定し納入しますが、次に違う地域向けの受注があるときに再度調べると、電源については多種多様な種類があり、なかなか覚えることが出来ないものです。本稿では、世界の主な国々の電源の種類と国内の周波数の境目についてまとめてみます。

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2.世界の主な国々の電源種類

  世界の主な国々の電源について表1にまとめてみました。各国で主に使用される電圧には大きく分けて照明や家電等住宅で使用される「住宅用電圧」と大型のポンプや油圧機器等工場で使用される「工業用電圧」の2種類があり、国別さらにはその国の中の地域や用途ごとに異なる電圧が使用されています。「工業用電圧」の方が電圧が高く、電圧が高い方が電流値が小さくなるので消費電力が少なく電気代が安くなる等の特徴があります。
  また、交流起電力が1種類の単相交流、120°ずつ位相がずれた交流起電力が3種類の3相交流に分類され、3相交流電圧はモーターのような構造で使用すると大きな出力を得られる特徴があるため「工業用電圧」に利用されています。さらにその3相交流にはケーブル配線数・結線方法の違いによる3線式と4線式に分類されます。日本の3相3線式の例を挙げますと、3本のケーブルの内2本を入れ替えて結線するとモーターが逆回転する「逆相」という状態になる特徴等があります。
  表1より小型の浄化槽で使用する「住宅用電圧」はヨーロッパでは230〜240V、東南アジアでは220〜240V、アジアでは110V・220V、中東では220〜240V、北米・中南米・南米120V〜277V、日本は世界でも希な100V・200Vとなっています。大型の浄化槽で使用する「工業用電圧」はヨーロッパでは400〜415V、東南アジア・中東では380〜415V、アジアでは380V、北米・中南米・南米208V〜480V、日本はここでも希な200Vとなっています。日本では大正時代に当時家庭で使用されていた電球がほぼ100V用であった為、アメリカに合わす検討もあったらしいのですが電球の寿命が短くなる理由で「住宅用電圧」は100V、「工業用電圧」は200Vに統一された経緯があります。

表1 世界の主な国々の電圧と周波数

  海外では日本と異なり設置現場の電圧が不安定なことがあり、設計どおりにブロワやポンプの能力が発揮されないケースもあります。海外に浄化槽を設置する場合は現地調査を充分に行い、トラブルを防止する為にも安定器を内蔵するなど、電圧変動対策をあらかじめ制御盤に講じておくことも必要かもしれません。表1からもう一つ日本特有な項目として50Hzと60Hzの周波数が混在して使用されている点があります。
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3.国内の周波数の境目

  大まかに考えると東日本は50Hz、西日本は60Hzの周波数ということになるのですが、もう少し細かく境目を紹介しますと太平洋側は静岡県を流れる富士川、日本海側は新潟県を流れる糸魚川を境に東が50Hz、西が60Hzとなります。これだけで分割できればわかりやすいのですが、図1のように境目付近の新潟県と長野県の一部には50Hzと60Hzの混在地域があり、また離島である佐渡島は60Hzだったりします。

図1 日本の地域別周波数

  この日本国内に2つの周波数が存在する理由は、明治時代にさかのぼりますが、関東は東京電燈(現:東京電力)が50Hzのドイツ製発電機を、関西は関西電燈(現:関西電力)が60Hzのアメリカ製発電機を輸入しそれぞれの周辺地域から徐々に広がっていったというのは有名な話です。
  では、周波数の違いにより使用できない機器はあるのでしょうか。表2より電熱を利用する機器は周波数には関係なく使用可能です。モーター等の回転動力を有する機器については、インバーターを操作した経験がある方はわかると思いますが、周波数が高いほど回転数が上がるので、仕様と異なる地域での使用は性能が変化します。表2一番下の機器でヘルツ専用仕様の場合、内部の部品交換が必要になる場合があります。最近は日本のどこでも使用できる周波数共用の家電が増えている傾向にありますが、確認せず誤って使用すると、機器そのものを破損させたり性能を低下させる他にも、火災の原因にもなりかねません。

表2  周波数違いによる使用可能機器

  浄化槽では小型浄化槽で主に使用されるダイヤフラム式ブロワのようにモーター動力でないものは50/60Hz兼用で使用可能ですが、ロータリー式ブロワのようなものになりますと適正な仕様のものでないとばっ気風量不足になるなど、浄化槽本来の機能を発揮することができません。
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4.おわりに

  浄化槽は設置後、マンホールと機器しか地上に露出した部分はなく、生命に関わる危険な部品が比較的少ない製品です。しかし、その地域に適正な仕様の機器を供給する為の事前調査を充分に行うことによって、感電や異常運転時の事故等を未然に防止することで、お客様に安心をお届けすることができるものと考えます。
 
(参考文献)
中部電力ホームページ「電気のマメ知識地域と周波数」

オリエンタルモーター総合カタログ「世界の電源電圧」
((株)クボタ)
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